体重と記録の相関について

始めまして。東京工業大学中距離3年の井上です。

 

今回は「体重と記録の相関について」をテーマに、体重の変化が記録にどのような影響を及ぼすのか、そして体重を減らすためにチームとしてまた私個人で取り組んできたことについて書いていこうと思います。

 

なぜこのテーマを私が書くことになったかといいますと、昨シーズンの好調の最大の要因が体重の減少にあると思われるからです。体重が減ればもちろん消費エネルギーは減るわけで、調子がよくなるのは当たり前だと思うかもしれませんが、私の場合はその相関が特に強く見られたわけです。以下が体重とその時の1500mのタイムをグラフにしたものなります。

体重とタイムの相関がとてもはっきりしていて、体重を減らすことがタイムを伸ばすという意味でいかに重要かを示す良い例になっていると思います。

ではなぜこれほど体重を減少させることに成功したのか。

きっかけはおそらく20161224日のちょうどクリスマスイブに中距離で行った振り返りミーティングだと思います。

その振り返りミーティングの目的は、

「一人一人がそのシーズンの反省と課題を発表し、それについて中距離パートのメンバー全員で話し合い、チームとして取り組んでいくことを決める」というものでした。

私はその振り返りミーティングでトップバッターを務めたわけですが、その年のシーズンは本当にさんざんでPBはおろか800mでは2分を切ることもままならない状態でした。

そこで課題として挙げられたのが体重でした。高校時代52-3kgだった体重はその時60㎏もあり、それはPB出るはずないよねという話です。

これはパート全体にも言えることだということで、チームとしては「体組成を毎週測定し、データをとる」ということに決まりました。体重を毎回データに残すことで、調子を計る一つの指標になるわけですし、日常生活で体重を意識できるようになると考えたわけです。

それから私個人としても体重を減らそうという意識が生まれ、食生活を少しずつ改善していきました。

ところで体重を減らす方法には2つあります。

1つは食事量を減らすこと、もう1つは消費エネルギーを増やすことです。

ですが中距離という競技の性質上、普段から長い距離を走るわけではないですし、日ごろから距離を踏みすぎると怪我のリスクが出てくるので、エネルギー消費を増やすことはなかなかに難しいです。なので食事量を減らすということがとても重要になってきます。

しかし今まで築いてきた食習慣を変えるというのは難しいものです。僕自身も最初は間食をカロリーの低い飲み物に置き換えたり、食べ過ぎてしまった日は特茶を飲んでごまかしたりするだけで、食事量を減らすことができず、同じ中距離のメンバーに指摘されることも多々ありました。そこで短期的にではなく、長期的にできることを増やして、少しずつ体重を減らしていこうという方針に変えました。

例えば日頃の代謝を上げるためにBCTと呼ばれる体幹トレーニングをジョグの前に取り入れたり、あとは日頃食べていたものを少しカロリーが低いものに置き換えたり、間食したくなったら成分表を見て、カロリーや脂質が低いものを意識的に選んだり、食事量も急にではなく、少しずつ減らして慣していきました。また食べ過ぎた次に日は食事量を意識的に減らして、一日のトータルを合わせるようにしました。飲み会や食べたい日もあると思うので、そういうリカバリーの考え方を持つようになって少し気持ちが楽になります。そしてグラフを見てもらうとわかると思いますが、78月に入って急に体重が落ち始めました。気温が上がり、食欲が落ちたというのもあると思いますが、今まで意識してきたことが結果に結びつき始めたのだと思います。そこから調子も右肩上がりなり始めました。練習の強度という面でも去年とは違いますし、他にも要因はあると思いますが、体重と調子には明らかに相関があると感じています。

ここまで長々と書いてきましたが、結局体重を減らすなら極端な制限をかけるのではなく、自分が続けられると思うことを積み重ねていくことだと思います。ほんの小さなことでも重ねていけば必ず結果につながっていくと思うので、自分にできることを増やしていくという意識が重要だと思います。

 

今では食事を管理することが楽しくなり、知識も大分ついてきて、ストレスなく体重をコントロールできるようになってきました。体重も今では51-52kgを維持できていて、高校現役時の体重に戻っています。

ただ最近になって体重減らしすぎ問題が指摘されるようになりました。

 

以下に体重と体脂肪率および筋肉量の推移を示します。

見ての通りベストが出た時(2017/9/26)と比べると体脂肪だけでなく、筋肉量も減ってしまっています。練習でも最近2018/02/03に行った1000+600(前記事を参照)では600で完全にへばってしまいました。体重を減らしすぎても筋肉量の減少でスピード練習に対応できないという問題点があるのかもしれません。

 

ということで今後の取り組みですが、今までは体重減少のために食事制限を行ってきましたが、今後は栄養素に注目し、体のコンデションを高める手段として食事を考えていこうと思っています。筋肉量を増やしたり、胃腸の調子を調えるためにも食事の内容にもこだわっていきたいです。最近中距離の一部で食事内容を記録する試みもスタートし、僕もそれに参加し始めました。これらの取り組みがさらなる記録の向上につながることを願っています。